湿原情報

 

釧路湿原

釧路湿原は、北海道の平野の原風景をとどめるわが国最大の湿原です。豊かな自然と野生が息づき、われわれにすばらしい体験と感動を与えてくれます。
湿原を含む一帯は国立公園に指定され、ラムサール条約の登録湿地として保護されています。
この貴重なNature Heritageを守るためにも注意深く行動しましょう。

釧路湿原全体は、標高が3〜10m、表面が平らな沖積平野です。
東西が最大25km、南北は36kmでまわりの小高い丘陵地帯(海岸段丘)に深く入り組んだ形になっています。南側は開いて砂丘地帯を隔てて太平洋に面しています。
中央を貫いて流れているのが、屈斜路湖を源とする釧路川、その左側には塘路湖、シラルトロ湖、達古武湖の3つの海跡湖があります。

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釧路湿原の成り立ち

今から約2万年前のヴェルム氷期には、北海道はシベリア大陸と陸続きでした。その後、気温の上昇と共に海面が上昇し、陸地に海水が入り込む「海進」が始まり、約1万年前には今日の釧路湿原は海に覆われました。しかし約6000年前から、海進は停滞し、逆に徐々に海水は引いていきましたそして、それまで海底だったところに土砂や泥炭がたまり始めました。こうして長い年月をかけ、約3000年前から広大な湿原が形成され始めたのです。塘路湖などの湿原に残る湖沼の多くは、かつて海だった頃の名残なのです。

 

5月(平均気温=8.4℃、日照時間=170.4hrs)

上旬
まだ枯葉色一色ですが、エゾアカガエルの大合唱が春を告げています。雪代で水があふれています。まだ湖水に残っている冬の水鳥もいます。

下旬
ほとんどのオオハクチョウは中旬過ぎには北へと旅立ちます。下旬には、塘路湖畔のアオサギのコロニーからヒナの声が聞こえ始めます。

 

6月(平均気温=12.3℃、日照時間=129.2hrs)

上旬
全体にまだ枯葉色ですが、ミツガシワなどの花が咲いています。タンチョウの子育てを見ようと、コッタロ湿原の展望台が人々でにぎわいます。

下旬
徐々に緑が目立ち始めます。スゲやマコモがまず萌え立ちます。。湖面にはネムロコウホネ等の水草の緑も水面に浮かんでいます、アカエリカイツブリやカルガモなどの水烏の母子も姿をあらわします。

 

7月(平均気温=15,8℃、日照時間:92,6hrs)

上旬
緑におおわれ始めます。湖沼に水烏の母子が浮かびます。水草の花たちも咲さ始めます。

下旬
アシ原の緑が美しい季節。
湖沼では、エゾノヒツジグサの白い花がヒシの葉群れの中に目立ちます。

 

8月(平均気温=18.4℃、日照時間=88.0hrs)

上旬
湖や沼の岸辺で採餌するタンチヨウの姿が良く見られます。
ミヤマカラスアゲハ等のチョウが飛び回ります。シオカラトンボやヨツボシトンボにまじりアカネ類も姿を見せます。

下旬
マコモやヨシが花穂を開き湿原に穂綿色が漂います。ヒシの実も収穫の季節に入り湖沼には舟が浮かびます。エゾシロネやハッカが花を見ることもできます。
白っぽい色の幼鳥の混ざるアオサギの家族が目立ちます。

 

9月(平均気温=14.6℃、日照時間=81.7hrs)

上旬
ヨシやマコモの花穂が風にそよぎます。徐々に緑が後退しています。日だまりに羽を休めているクジャクチョウの美しい彩りがことのほか目立つようになりました。

下旬
湿原は上の方から枯葉色に染まり始めています。
ヒシクイの大群が北の山から湧き立つようにやって来て、シラルトロ湖に浮かびます。、白いお尻を見せてしきりにヒシの実を漁つているのですぐわかります。塘路湖のカモ類やカワアイサの群れも大きくなってます。アオサギはだいぶ少なくなってきました。

 

10月(平均気温=8.2℃、日照時間=159.7hrs)

上旬
シラルトロ湖のヒシクイの群れも増えています。上空で数羽のトビやカラスが円を描いてディスプレイ・フライトに余念がありません。

下旬
水位が下がってきました。砂浜伝いに今まで歩けなかった場所まで散策できます。ほんのわすかに緑色を残して、すっかり冬支度を整えた枯葉色のヨシ原です。

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